YouTubeでの著作権違反リスクを徹底解説。BGM使用による著作権クレームの仕組みから、2025年最新の対処法、安全な音楽の選び方まで完全ガイド。コンテンツID検出システムの進化に対応した予防策、クレーム発生時の実践的対応方法、収益化への影響など。初心者からベテランクリエイターまで知っておくべき著作権知識を網羅し、チャンネル停止リスクを回避する具体的な戦略を紹介します。
YouTubeで動画を制作する際、BGM選びは重要な要素です。しかし、著作権で保護された音楽を不適切に使用することで、予想以上に深刻な問題が発生する可能性があります。
著作権クレームの実態と影響
2025年現在、YouTubeでは毎日数千件の著作権クレームが発生しています。BGMに関する著作権違反は、最も頻繁に発生する問題の一つです。
著作権クレームがもたらす具体的な影響:
- 収益の喪失
- 広告収益が権利者に移行
- チャンネル全体の収益化資格への影響
- スポンサー契約への悪影響
- 動画の制限
- 特定の国や地域でのブロック
- 視聴制限(年齢制限や非公開設定)
- 一部のプラットフォーム機能の制限
- チャンネルへのペナルティ
- 著作権ストライク(3回で停止)
- YouTubeアルゴリズムでの評価低下
- チャンネルの成長阻害
実際の数字で見る影響(2025年データ):
- 著作権クレームを受けた動画は、同様のコンテンツと比較して平均40%視聴数が減少
- クレーム後、チャンネル登録率が平均33%低下
- ストライクを受けたチャンネルの約28%が12ヶ月以内に活動停止
2025年の著作権検出システムの進化
YouTubeのコンテンツID技術は急速に進化しており、2025年現在の検出能力は驚異的なレベルに達しています。
最新の検出技術:
- 高度なAI認識
- わずか2〜3秒の音楽断片でも検出
- 音程変更やピッチシフトを施しても検出
- バックグラウンドノイズが多い環境でも認識
- パターン認識の精度向上
- リミックスやカバーバージョンも検出
- 編集や速度変更を施した音楽も識別
- 複数の音源が混在する場合も個別検出
- データベースの拡大
- インディーズやマイナーアーティストの楽曲も収録
- 世界各国の音楽権利団体との連携強化
- 歴史的楽曲や古いカタログの網羅
かつては「少しだけ使う」「音程を変える」「速度を変える」などの手法で検出を回避できた時代もありましたが、2025年の技術ではそれらはほぼ無効になっています。著作権問題は、技術的な回避策ではなく、適切な権利処理や合法的な選択肢によって対処する必要があります。
BGM著作権違反を回避するための基本知識
YouTubeで音楽を使用する際に必要な著作権の基本知識と、安全に音楽を利用するための考え方を解説します。
音楽著作権の基本構造
音楽の著作権は複雑で、一つの楽曲に複数の権利が存在します。これを理解することが、リスク回避の第一歩です。
音楽著作権の2つの主要な要素:
- 作詞・作曲の著作権(著作権)
- 楽曲そのものの権利
- 作詞家、作曲家、編曲者に帰属
- JASRAC等の著作権管理団体が管理することが多い
- 録音・演奏の著作権(著作隣接権)
- 特定の録音・演奏に対する権利
- レコード会社、演奏者に帰属
- 原盤権とも呼ばれる
YouTubeで音楽を使用する際は、これら両方の権利処理が必要です。例えば、自分でカバーした楽曲を使用する場合でも、作詞・作曲の著作権は残っているため、許可なく使用すれば著作権違反となります。
権利処理が不要な音楽とは
すべての音楽が権利処理を必要とするわけではありません。以下のカテゴリは、条件付きで安全に使用できる可能性があります。
権利処理不要(または簡易処理)の音楽:
| カテゴリ | 特徴 | 使用条件 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| パブリックドメイン | 著作権保護期間が終了 | 基本的に自由に使用可能 | 国によって保護期間が異なる(日本は著作者の死後70年) |
| クリエイティブコモンズ | 作者が一定の使用を許諾 | ライセンス条件に従う必要あり | CCの種類を確認(NC=商用利用不可など) |
| ロイヤリティフリー | 一度購入すれば繰り返し使用可能 | 購入ライセンスの範囲内で使用 | YouTubeでの使用が明示的に許可されているか確認 |
| YouTube公式の無料BGM | YouTubeが提供する無料音源 | 条件に従って使用 | 一部楽曲はクレジット表記が必要 |
重要なポイント:
- 「権利処理不要」と表記されていても、必ず使用条件を確認する
- 特に「商用利用」(収益化動画)については明示的な許可があるか確認
- 条件不明な場合は、権利者に直接確認するか、使用を避ける
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2025年最新!著作権クレームの種類と具体的対処法
YouTube上で発生する著作権クレームには複数の種類があり、それぞれ異なる対処法があります。最新の情報とともに解説します。
著作権クレームの3つのタイプと対応策
- コンテンツIDマッチ
最も一般的な自動検出によるクレームです。
特徴:
- システムが自動的に検出
- 通常は収益のみに影響(動画は残る)
- 権利者が事前に設定したポリシーが適用
対応策:
- 正当な使用権がある場合は異議申し立て
- 該当部分を編集して再アップロード
- 収益シェアを受け入れる(動画自体は公開維持)
- 著作権侵害の申し立て(手動)
権利者が直接申し立てる、より深刻なクレームです。
特徴:
- 手動で申し立てられる
- チャンネルに「ストライク」が付く可能性
- 3回のストライクでチャンネル停止
対応策:
- 正当な使用権の証明(ライセンス証明など)
- 該当コンテンツの完全削除
- 必要に応じて法的アドバイスを求める
- DMCA削除通知
法的手続きに基づく最も深刻なクレームです。
特徴:
- 法的強制力を持つ
- 動画は即時削除される
- 異議申し立てには法的責任が伴う
対応策:
- 専門家に相談(安易な異議申し立ては危険)
- 明確な証拠がある場合のみ反論
- 再発防止策の徹底
クレーム発生時の実践的対応フローチャート
クレームを受けた際の適切な判断と対応の流れを示します。
クレーム発生
↓
【使用権の確認】
権利を持っている → 証拠を集めて異議申し立て
↓
権利がない
↓
【クレームの種類確認】
コンテンツID → 収益への影響のみか視聴制限もあるか確認
↓
著作権侵害申し立て/DMCA → ストライクの有無を確認
↓
【対応策の検討】
1. 該当部分の削除・置換(編集可能な場合)
2. 収益シェアの受け入れ
3. 動画の非公開・削除
↓
【再発防止策】
1. 使用音源の記録管理
2. 権利関係の事前確認徹底
3. 安全な代替音源の確保異議申し立ての効果的な方法
正当な使用権がある場合、効果的に異議申し立てを行う方法を紹介します。
- 証拠の準備
- ライセンス購入証明書/メール
- 公式の使用許諾ページのスクリーンショット
- 権利者からの直接許可の証拠
- 異議申し立ての記述例
私はこの楽曲「[曲名]」を正規に使用する権利を持っています。[サイト名]から商用利用可能なライセンスを購入しました(ライセンス番号:xxx-xxx、購入日:yyyy/mm/dd)。このライセンスはYouTube動画での使用を明示的に許可しています。証拠として、購入確認メールのスクリーンショットを添付します。- 対応の注意点
- 感情的な表現を避け、事実のみを簡潔に記載
- 嘘の申し立ては絶対にしない(アカウント停止リスク)
- 45日以内に対応がない場合、自動的にクレームが解除される
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2025年に安全に使えるBGMの選び方と活用法
著作権トラブルを回避しながら、高品質なBGMを活用するための具体的な方法を紹介します。
安全なBGM入手先とその特徴
2025年現在、以下のソースから安全にBGMを入手することができます。
- YouTube Audio Library(YouTube公式)
- 特徴: 完全無料、YouTubeが公式に提供
- 楽曲数: 約1,500曲(2025年時点)
- 使用条件: 一部楽曲はクレジット表記が必要
- メリット: YouTubeでの使用が完全に保証されている
- デメリット: 選択肢が限られる、人気曲が多い
- 有料サブスクリプションサービス
- 代表例: Epidemic Sound(月額$15〜)、Artlist(年額$199〜)
- 特徴: 月額/年額料金で大量の楽曲が使い放題
- メリット: 高品質な楽曲、継続的に新曲追加、権利処理が明確
- デメリット: 継続的なコスト、契約終了後は使用不可の場合も
- ワンタイムライセンス(単曲購入)
- 代表例: Audiojungle($10〜/曲)、PremiumBeat($49〜/曲)
- 特徴: 1曲ごとに購入し永続的に使用可能
- メリット: 一度購入すれば永続的に使用可能、選曲の自由度
- デメリット: 頻繁に使用する場合はコスト増
- 著作権フリー音楽サイト
- 代表例: DOVA-SYNDROME、Bensound
- 特徴: 基本無料、クレジット表記が必要な場合が多い
- メリット: コスト削減、多様なジャンル
- デメリット: 利用規約の変更リスク、商用利用制限の場合あり
音楽使用時の安全対策と実践テクニック
安全にBGMを使用するための具体的なテクニックを紹介します。
- 使用前の徹底確認
- ライセンス条件の細部まで確認(特に商用利用、収益化の可否)
- サイトの「よくある質問」や「利用規約」を必ず読む
- 不明点はサポートに問い合わせる
- 証拠と記録の管理
- 使用楽曲のデータベースを作成(曲名、アーティスト、ソース、使用条件)
- ライセンス購入証明やダウンロード証明の保存
- 利用規約のスクリーンショットを日付付きで保存
- 適切なクレジット表記
- 動画説明欄での表記例:
音楽:
"曲名" by アーティスト名
提供: サイト名
URL: https://example.com/music- 動画内での表記例(エンドクレジット):
Music:
"曲名" by アーティスト名
Licensed from サイト名- トラブル予防のための追加対策
- アップロード前に限定公開でテストアップロード
- Content ID検出テストツールの活用
- 複数の安全な音源プロバイダーを確保しておく
よくあるBGM著作権トラブル事例と解決策
実際によく発生する著作権トラブルの事例とその解決策を紹介します。
ケーススタディ1: 「著作権フリー」と表記されていたのにクレームが来た
状況: あるウェブサイトで「著作権フリーBGM」と表記されていた楽曲を使用したところ、アップロード後にコンテンツIDマッチが発生。調査すると、そのサイトは正規の権利を持っておらず、無断転載していたことが判明。
原因分析:
- 「著作権フリー」の表記を盲信した
- 配布元サイトの信頼性を確認していなかった
- 原曲の権利関係を自分で調査していなかった
解決策:
- 該当BGMを含む部分を編集でカットまたは別の音源に差し替え
- 編集不可能な場合は動画を非公開にして再制作
- 今後は信頼性の高いソースからのみBGMを入手
予防策:
- 「著作権フリー」の表記だけでなく、サイトの信頼性も確認
- 不明確なライセンス条件の音源は避ける
- 可能であれば、音源をSearch by Musicなどで権利関係を事前確認
ケーススタディ2: ライセンス購入したのに著作権クレームが発生
状況: 正規のライセンスを購入した音楽素材サイトからBGMを入手し使用したが、アップロード後にコンテンツIDマッチが発生。ライセンス証明があるにも関わらず、異議申し立てが却下された。
原因分析:
- 素材サイトがYouTubeのコンテンツIDシステムに対応していない
- ライセンス条件に「YouTube自動検出システムではクレームが発生する可能性がある」と小さく記載があった
- 異議申し立ての説明が不十分だった
解決策:
- 素材サイトのサポートに連絡し、ホワイトリスト登録を依頼
- より詳細な証拠(購入証明、ライセンス条件のスクリーンショット)を添えて再度異議申し立て
- YouTube Supportに直接問い合わせ
予防策:
- ライセンス購入時に「YouTubeのコンテンツIDシステムとの互換性」を確認
- 「ホワイトリスト登録」や「フィンガープリント除外」のサービスがあるか確認
- YouTube専用の音源サービスの利用を優先する
ケーススタディ3: BGMの使用条件が後から変更された
状況: 長期間使用していた「商用利用可」のBGMが、サイトのポリシー変更により「非商用のみ」に変更。過去の動画に対してもクレームが発生し始めた。
原因分析:
- 定期的なライセンス条件の確認をしていなかった
- 変更通知を見逃していた
- 使用条件の変更が遡及適用される可能性を考慮していなかった
解決策:
- 該当サイトに連絡し、既存使用分の猶予・例外措置を交渉
- 変更前の利用規約のスクリーンショットがあれば異議申し立ての証拠として使用
- 影響の大きい主要動画のBGMを差し替え
予防策:
- 利用規約のスクリーンショットを日付付きで保存
- 重要な動画には、ポリシー変更リスクの低いソースからのBGMを使用
- 複数のBGMソースを併用してリスク分散
著作権クレーム発生時の具体的な編集・対応テクニック
著作権クレームが発生した場合の実践的な対応方法を紹介します。
クレーム対象部分の特定と編集方法
- クレーム部分の正確な特定
- YouTube Studioで表示されるタイムスタンプを確認
- クレーム範囲の前後15秒も含めて編集を検討
- 複数のクレームがある場合は全てをリスト化
- 編集オプションの選択
- 完全削除: 該当部分をカット
- 音声置換: 著作権フリーの代替BGMに差し替え
- 音声ミュート: 該当部分の音声のみを消音
- 音声加工: (効果は限定的、推奨しない)
- YouTubeエディタでの編集手順
1. YouTube Studio > コンテンツ > 該当動画
2. 詳細 > 著作権クレーム
3. 「オプションを表示」>「エディタで修正」
4. クレーム箇所を選択し、編集オプションを適用
5. 変更をプレビューし保存- 外部エディタでの再編集
- より高度な編集が必要な場合
- オリジナル素材に戻って再編集
- 編集後に再アップロード(視聴回数はリセット)
著作権リスクを最小化する音楽使用テクニック
- 音量バランスの最適化
- BGMを控えめな音量に設定(メイン音声の30-40%程度)
- 重要な説明部分ではさらに音量を下げる
- フェードイン・アウトを活用し急な音量変化を避ける
- BGM選択の工夫
- 複数の短いBGMを使用(単一楽曲への依存回避)
- 同一動画内でのBGM切り替え
- インストゥルメンタル版の優先使用
- 音源の品質管理
- 高品質な原音源の使用(低品質の二次配布を避ける)
- 音源の改変・加工は最小限に
- 公式提供のものを優先使用
著作権に関するよくある質問と回答
YouTubeクリエイターからよく寄せられる著作権に関する質問に回答します。
Q1: 音楽を数秒だけ使用する、または音程を変えれば大丈夫ですか?
A: 残念ながら、そのような方法では著作権侵害を回避できません。
「数秒の使用」について:
- 長さに関わらず、著作権で保護された楽曲の使用は権利侵害になり得ます
- 特に「サビ」など楽曲の特徴的な部分は数秒でも検出されます
- 2025年のコンテンツIDシステムは2〜3秒の断片でも高精度で検出可能です
「音程変更」について:
- 現代の検出技術は音程変更、速度変更、リバース再生なども検出できます
- AIベースのパターン認識技術により、様々な加工を施しても原曲が特定されます
- これらの「回避策」を試みることで、かえってペナルティが厳しくなる可能性もあります
安全な代替策:
- YouTube Audio Libraryなどの公式提供の無料BGMを使用
- 正規のライセンスを購入(サブスクリプションまたは単曲)
- 著作権フリーの音源を適切な条件で使用
Q2: 「非営利目的」なら著作権のある音楽を使っても良いですか?
A: 非営利目的でも、原則として権利者の許可なく音楽を使用することはできません。
重要なポイント:
- 著作権法上、営利/非営利に関わらず、無許可使用は侵害になり得ます
- YouTubeでは、広告がなくても著作権クレームの対象になります
- 一部の著作権フリー音源は「非営利目的のみ」の使用を許可している場合があります
YouTube特有の考慮点:
- チャンネル収益化していなくても、権利者が広告を付ける可能性があります
- 将来的に収益化を目指す場合、非収益動画でも著作権に注意が必要です
- 教育目的でも、フェアユースの条件を満たさない限り許可が必要です
安全な使用法:
- 明示的に「非営利目的での使用許可」がある音源を選ぶ
- クリエイティブコモンズライセンスの「NC(非営利)」表記のある音源を使用
- 使用前に権利者に直接許可を求める
Q3: 著作権クレームは何回受けるとチャンネルが削除されますか?
A: 著作権クレームには2種類あり、ペナルティの仕組みが異なります。
コンテンツIDマッチ(通常のクレーム):
- 回数制限なし(理論上は無制限にクレームを受けても削除されない)
- 収益の再分配や地域制限などが適用される
- チャンネル評価には悪影響があるものの、直接的なペナルティはない
著作権侵害の申し立て(著作権ストライク):
- 90日間で3回ストライクを受けるとチャンネルが削除される
- 1回のストライクでもライブ配信などの機能が制限される
- ストライクは90日後に消滅(適切に対応した場合)
重要な注意点:
- コンテンツIDマッチが「ストライク」に変わる可能性もある
- 同じ動画に複数のクレームがあっても、通常は1つのストライクとしてカウント
- チャンネル削除後の再開設は困難、内容次第では法的措置の可能性も
YouTubeでの成功は優れたコンテンツ作成だけでなく、発見されやすさと印象にも大きく依存します。チャンネル名はその最初の入り口であり、戦略的に選ぶことで登録者獲得と成長の大きな助けとなります。







