YouTubeのGoogleアドセンスを利用して収益化を開始するには、YouTubeパートナープログラムへの参加が必要です。この記事では、アドセンスの申請が通らない場合の対策についてを詳しく解説しています。
YouTubeパートナープログラムの審査基準
・チャンネル登録者数1,000人以上
・過去12か月の総再生時間4,000時間以上 または ショート動画視聴回数1,000万回以上
・2段階認証の有効化
・YouTubeのコミュニティガイドラインとポリシーの遵守
・Google AdSenseアカウントのリンク
条件満たした後には、さらに大きな関門が待ち受けています。
それは、YouTubeパートナーとして適切なチャンネルおよび運営者であるかの審査です。この審査は、以下の3つのステップに分かれています。
ステップ1:パートナープログラムの利用規約を確認し、同意する
ステップ2:Google AdSense(グーグルアドセンス)に申し込む
ステップ3:YouTubeチャンネルの審査を受ける
ステップ1は規約に同意するだけで完了しますが、最大のハードルとなるのはステップ2です。
審査が通らない時の精神的苦痛と焦り
審査に落ちてしまった時、多くのクリエイターが感じるのは深い挫折感です。「何か月もコンテンツを作り続けてきたのに」「なぜ自分だけが」という思いが頭を巡ります。特に以下のような感情に襲われるケースが多いです。
- 無力感: 何が間違っているのか分からないまま拒否されることの絶望感
- 焦り: チャンネルの勢いを失うかもしれないという不安
- 混乱: 明確な理由が示されないことによる困惑
- 孤独感: 他の人は簡単に通過しているように見える中での孤立感
ある実際のクリエイターは次のように語っています:「数百時間かけて作った動画が、何の説明もなく『不適切』と判断されたときは本当に絶望しました。何が問題なのかわからないから、どう修正すればいいのかもわからない。その無力感は言葉では表せません。」
まずは審査結果を確認しよう
Google AdSenseは、Googleが提供する広告配信サービスであり、YouTubeパートナープログラムを通じて発生した広告収益も、このAdSenseを通じて支払われます。
そのため、収益化を目指すYouTubeチャンネルは、審査を通過した有効なGoogle AdSenseアカウントと連携する必要があります。
しかし、このGoogle AdSenseアカウントの開設や連携のプロセスは、一筋縄ではいきません。
ネット上の情報を見ても、スムーズに通過する人がいる一方で、多くの方がこのステップ2で苦戦しているのが現実です。
特に厄介なのは、申請が却下された際にGoogle AdSenseから届く通知メールの内容。これが多くの人を戸惑わせる大きな要因となっています。
以下は、実際にステップ2の申請が却下された際に送られたメールの一例です。
「なお、この決定に関する具体的な理由については、お応えいたしかねますのでご了承ください。何卒ご理解いただきますようお願いいたします。」
この一文の存在が、多くのクリエイターにとってYouTube収益化への大きな壁となっています。
要するに、「あなたの申請したGoogle AdSenseアカウントは、何らかの理由でGoogleのプログラムポリシーに違反しているため承認できませんが、具体的に何が問題なのかはお伝えできません」ということです。
これが非常に厄介なポイントです。
違反内容が不明なため、解決策を明確に示すことができず、YouTube収益化を目指す多くの人がここで足踏みしてしまいます。
最近では、AdSenseの審査基準が厳しくなり、過去に問題なく通過していたケースでも、突如として申請が却下されることが増えています。そのため、一度審査に落ちた場合は、単に再申請するのではなく、アカウント情報やコンテンツの見直しを慎重に行い、しっかりと準備を整えてから再挑戦することが重要です。
YouTubeのパートナーシップが申請通過しないと申請の3ステップでは、ステップ2で「エラー」、ステップ3で「一時停止中」の表示になります。
申請が通らない主な理由
1.コミュニティガイドライン違反
YouTubeは厳しいガイドラインを設けており、以下のような内容が含まれると審査に落ちる可能性があります。
・著作権侵害(他人の動画や音楽を無断使用)
・暴力的・差別的な内容
・誤情報やスパム的なコンテンツ
・過度なクリック誘導
対策
・YouTubeのガイドラインを再確認
・問題のある動画がないかチェックし、削除または修正
2.再利用コンテンツ(繰り返しの多いコンテンツ)
オリジナル性が低いと判断されると、審査が通らないことがあります。
・テキスト読み上げのみの動画
・他の動画を切り貼りしただけのコンテンツ
対策
・独自のナレーションや解説を加える
・編集の工夫をしてオリジナリティを出す
3. 視聴時間の不正取得(ボット利用など)
短期間で急激に視聴時間が増えた場合、不正な手段が使われたと判断される可能性があります。
4.動画の質が低い(広告に適さない内容)
広告を掲載するYouTubeにとって、以下のような動画は審査に通りにくくなります。
・音質・画質が極端に悪い
・内容が薄く、広告主にとってメリットがない
対策
・音声や映像のクオリティを上げる(マイクやカメラの見直し)
・視聴者が楽しめる学べる内容を意識する
YouTubeサポートへの問い合わせ — 最も確実な解決法
重要: この記事で紹介している対策はあくまで一例です。実際には、YouTubeの審査基準は非公開の部分が多く、本記事の内容だけでは解決できないケースも多くあります。
最も確実な方法は、YouTubeサポートに直接問い合わせることです。サポートチームは内部情報にアクセスでき、あなたのチャンネル固有の問題点を特定できる可能性があります。以下のアプローチが効果的です:
- YouTubeヘルプセンターから問い合わせる
- YouTubeパートナーサポートに連絡する(登録者1,000人以上のチャンネルで利用可能)
- YouTubeコミュニティフォーラムで質問する
実際に、サポートへの問い合わせにより、審査システムでは検出できなかった特殊なケースが解決したという報告も多数あります。ある事例では、サポートスタッフが「通常の審査では検出されない特定の問題」を指摘し、解決につながったというケースもありました。
メール本文には、一般的なエラーの例として、以下の2点が挙げられています。
① 複数のAdsenseアカウントを所有している
② Youtube Studio経由でYoutubeチャンネルとAdsenseを適切に関連付けていない
もしこのどちらかに該当する場合は、該当する問題を修正すれば解決できます。 しかし、初めてYoutubeチャンネルの収益化手続きを行う人にとっては、通常このような状況には当てはまらないことが多いでしょう。
そのため、最終的にはGoogleのポリシーに違反していないか、詳細に確認する必要があります。
参考として、以下のポリシーを確認してみてください。
■Googleパブリッシャー向けポリシー
■ Adsenseプログラムポリシー
規制表現の多様性と隠れた審査基準
記事で紹介している規制表現はあくまで一部です。実際にはYouTubeの審査システムは数千もの規制キーワードやフレーズを監視しており、以下のような様々なカテゴリの表現が含まれています:
- 政治的に論争を呼ぶ表現
- 健康・医療関連の断定的表現
- 投資・金融関連の過度な利益を示唆する表現
- 様々な宗教・文化に対して不適切とされる表現
- 年齢制限に関わる表現(アルコール、ギャンブルなど)
- 特定の製品・サービスへの過度な批判
これらの規制表現は常に更新されており、ひとつの単語だけでなく、文脈や組み合わせによって判断されることも多いため、単純に「NGワードリスト」として対応することは困難です。
ある収益化コンサルタントは「表面的には全く問題ない言葉でも、特定の文脈や組み合わせで使われると審査システムがフラグを立てる場合があります。これは機械学習に基づく審査システムの特性です」と説明しています。
YouTube収益化・Google AdSense審査に落ちた場合の具体的な対応策
YouTubeパートナープログラム審査の仕組み
YouTubeパートナープログラムへの申請時に審査の対象となるのは、申請時点でのチャンネル状態です。具体的には次のポイントが重要です:
- チャンネルは、有効な公開動画の総再生時間とチャンネル登録者数の条件を満たした時点で審査に回されます
- 審査待ちの間に条件を下回っても、審査自体はそのまま進められます
- しかし、申請後に極端な変更(例:ほぼすべての動画を削除するなど)を行うと、再度要件を満たす必要が生じる場合があります
重要なのは、一度条件を満たして申請すれば、その後多少の変動があっても審査プロセスは継続するという点です。ただし、極端な変更は避けるべきでしょう。
初回申請の場合
初めて収益化審査を受ける場合は、以下のポイントを押さえておきましょう:
- 何度でも申請可能:初回申請の場合、申請に通るまで何度でも改善して再申請することができます。
- 待機期間なし:初回審査で不合格になった場合、問題を修正した後すぐに再申請できます。30日待つ必要はありません。
- 再申請の扱い:初めての審査の場合、「再審査」ではなく「再申請」として扱われます。
これは初回ならではの大きなメリットです。問題点を修正し、何度でもチャレンジできるのです。
審査に落ちた場合の対応策
審査に通過しなかった場合は、以下の点を確認して修正しましょう:
修正のポイント
- 審査結果に記載されている問題点を確認する
通知メールやYouTubeスタジオの通知を確認し、具体的な問題点を特定します。 - ポリシー違反の可能性がある動画を削除または修正する
※非常に重要:非公開設定では効果がありません。完全に削除するか内容を修正する必要があります。 - チャンネル全体の見直し
- サムネイル
- 動画タイトル
- 説明欄
- タグ
- 動画内容
これらすべてがYouTubeのポリシーに準拠しているか確認します。
審査通過後に収益化停止となった場合
一度収益化が開始された後に停止された場合は、以下のルールが適用されます:
30日/90日ルール
- 通常の違反:重大なポリシー違反がない場合は、停止から30日後に再申請可能です。
- 重大な違反:重大なポリシー違反がある場合は、停止から90日後に再申請が可能になります。
21日以内の再審査ルール
- 収益化停止の決定に誤りがあると思われる場合、停止から21日以内に再審査を申請できます。
- この再審査はYouTubeの判断ミスを主張するもので、新たな審査ではない点に注意してください。
再申請の手順
- 指摘された問題点を修正する
- ポリシー違反コンテンツの削除や修正を行う
- チャンネル全体(動画、サムネイル、説明文など)のポリシー準拠を確認する
- 待機期間(30日または90日)経過後、YouTubeスタジオから再申請する
重要な注意点
- 再収益化には、通常の収益化と同じ要件(登録者数・視聴時間など)も満たす必要があります。
- 再申請前に違反コンテンツをすべて修正または削除する必要があります。(※非公開設定では効果がありません)
アドセンス審査に通過しない条件と事例
サムネイル・タイトル・説明欄・アップロードした動画データのタイトルに以下の規制対象の表現が含まれていると、審査に通過しない可能性が高くなります。
規制対象の表現
- 戦争・テロ系:「死」「テロ」「戦争」に関連する表現
- 性的表現:「拷問」「売春」「エロ」といった表現
- 断定的表現:「的中率90%」といった、確率を断定する表現
改善方法
- 規制対象の表現を削除するか、隠語にして表現する 例:「死」→「タヒ」や「●」などで表現
- 断定的な表現は避け、より穏やかな言い回しに変更する
これらを改善して再申請することで審査に通った事例がありますが、改善しても審査に通過しない場合もあります。違反の内容に関しては、YouTube側から詳細が開示されることはないため、違反と思われる部分をすべて修正した上で再申請を行い、結果を待つしかありません。
よくある質問
Q: 審査待ち中に再生時間や登録者数が減少しても問題ないですか?
A: 多少の減少であれば問題ありません。申請時点で条件を満たしていれば、その後の軽微な変動は審査結果に影響しません。
Q: 極端な場合、例えば動画をほとんど削除して1本だけ残した場合はどうなりますか?
A: すべての動画を削除したり、極端に要件を下回るような変更を行った場合は、申し込み前の状態に戻ってしまい、再度要件を満たす必要が出てくる可能性があります。
Q: 審査中に新しい動画をアップロードしても大丈夫ですか?
A: はい、審査中も通常通りチャンネル運営を続けることができます。むしろ、定期的に質の高いコンテンツを投稿し続けることでチャンネルの評価にプラスとなる可能性があります。
Q: アドセンス審査が通らない場合、すべての動画を削除して一からやり直すべきですか?
A: 極端な対応は避けるべきです。まずは問題となっている個別の動画を特定し、それらを修正または削除することをおすすめします。チャンネル全体を削除すると、これまでの努力が無駄になってしまいます。
Q: 何度も審査に落ちる場合、どうすれば良いですか?
A: 何度も審査に落ちる場合は、YouTubeサポートに直接問い合わせることを強くお勧めします。また、同じジャンルで収益化に成功している他のチャンネルを参考にしたり、YouTube収益化に詳しいコンサルタントのアドバイスを受けることも検討しましょう。
まとめ
YouTube収益化の審査に通過するためには、コンテンツがYouTubeのポリシーに準拠していることが重要です。初回申請の場合は、修正後に何度でも申請を行うことができますので、審査通過を目指して改善を続けましょう。
収益化停止後の再申請には一定の待機期間が必要ですが、その間にしっかりとコンテンツを見直すことで、再収益化の可能性を高めることができます。
最も重要なのは、YouTubeの規約とポリシーを理解し、それに沿ったコンテンツ作りを心がけることです。短期的な収益よりも、長期的にチャンネルを成長させるという視点で取り組むことが、結果的に安定した収益につながるでしょう。
審査に通らないという挫折を経験しても、多くのクリエイターがその後成功しています。諦めずに改善を続け、質の高いコンテンツを提供し続けることが、最終的には報われるのです。
最後に、この記事の情報はあくまで一般的なガイドラインであり、個別のケースによって状況は異なります。確実な解決を目指すなら、YouTubeサポートへの直接問い合わせを最優先に検討してください。
YouTubeパートナープログラムは、必要要件を満たした上で参加できるプログラムです。申請条件を満たしたら、審査期間中も通常のチャンネル運営を続けながら、極端な変更は避けるようにしましょう。
審査には通常数週間かかる場合もありますので、焦らず結果を待ちましょう。